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帯状疱疹ワクチン

さて、今日は、最近CMで話題の「帯状疱疹ワクチン」について


みなさん、帯状疱疹(たいじょうほうしん)はご存知ですか?

聞いたことはあるという方が多いのではないでしょうか。


ほとんどの方が幼少期に水ぼうそうにはかかられているかと思います。

帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスが原因で起こる病気です。


水ぼうそうにかかると、ウイルスはずっと体内に潜んでいるんです。

なので、みなさんの体内にもウイルスは潜んでいます。


そして過労やストレスなど何かのきっかけで、免疫力が低下したりすると、そのウイルスが活発になって、症状が出現します。


症状で一番典型的なのは、痛みを伴う皮膚の発疹と水ぶくれです。

ウイルスは主に神経周囲で炎症を起こすので、それぞれの神経に沿った部位に症状が出現します。

一番多いのが、上半身の片側で帯状に発疹ができることが多いです。

それ以外にも目や耳周りなど、顔面にできることもあります。




そして何より、「痛い!」のが特徴です。

ビリビリ、ヒリヒリとした神経痛が出るため、患者さんはかなり辛い思いをされています。


皮膚科の病気ですが、発疹が出現する前の痛みで整形外科に受診されることも少なくありません。


通常は、神経痛に対する痛み止めや抗ウイルス薬を使用して症状を抑えます。



最近、なぜ帯状疱疹が話題になっているかというと、

① 中高年での発症が多い

② 後遺症を残す可能性がある

からです。


若年者でも発症する可能性はもちろんあるのですが、ご高齢の発症が多いことが近年注目されています。

80歳までに3人に1人は帯状疱疹を発症しています。

ウイルスはずっと体内にいますので、二度三度発症することもあります。


そして、さらに問題なのが、発症した約2割の方で、後遺症が残ってしまうことです。

神経自体が損傷することで、痛みが持続したり、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴になったりします。

後遺症が残ってしまい、辛い思いをされている患者さんもよく診察します…。




帯状疱疹にならないようにするためには、日々の体調管理がまずは大事になってきます。

だからといって、ずっと健康でいることもなかなか難しいことかと思います。


そこで今日の本題「帯状疱疹ワクチン」の登場です。


ワクチンには2種類あり、生ワクチン、不活化ワクチンがあります。

生ワクチンは、大人でも接種できますが、いわゆる子どものワクチンです。

効果は5年間で50%くらいです。


でも最近注目されているのが、「シングリックス」という不活化ワクチンです。

その効果はなんと、10年間で約97%の予防効果です。

70歳以上のご高齢の方に限っても10年で約9割の予防効果です。


さらに、もし発症したとしても後遺症を残す可能性も少なくなるようです。



私なら迷わず打ちたいと思っています。



ただ、接種対象者は基本的に50歳以上の方になります。

18歳〜50歳で基礎疾患があり、免疫が低下している方は接種可能となります。

帯状疱疹にかかったことがある方も接種可能です。


このワクチンは2ヶ月以上の間隔をあけて、2回接種をすることが必要です。

費用は当院では1回あたり22,000円(税込)です。



費用は高いですが、効果はしっかり出るワクチンだと思います。

帯状疱疹を発症されて、辛い思いをされている方をたくさん見てきたので、そういった方を少なくできればと思い、ワクチン接種を推奨したいと思っています。


コロナワクチンと同様、軽い副反応は出ることが多いようです。

しかし重篤な副反応はほとんどありません。

副反応など詳細はお問い合わせください。


当院ではクレジットカード支払いも可能ですし、医療費控除の対象になる場合もあります。


以下URLでまとまっていますので、ご参照ください。

https://taijouhoushin-yobou.jp


ぜひご検討ください。



なお、札幌市より対象者に接種券が配布されている肺炎球菌ワクチンも行っています。

対象者は合わせてお問い合わせください。

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