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骨粗しょう症

骨粗しょう症とは

 

骨粗しょう症は怖い病気です。それは命にかかわる病気だからです。「?」と思った方が多いと思います。がんや心疾患ならともかく、骨粗しょう症で死亡したと聞いたことはほとんどないかもしれません。

骨粗しょう症は骨がもろくなる病気です。骨がもろくなると骨折をしやすくなります。

骨折を起こすと動きが悪くなり、生活に支障が出るようになります。寝たきりになる原因の第1位は骨粗しょう症による骨折など運動器の障害ということがわかっています。骨粗しょう症により股関節の骨折が起きると、1年以内には25%程度の方がすでに死亡されています。骨粗しょう症による骨折は、がんと同等、いやそれ以上に要介護と関わりがあり、命にかかわるのです。

骨粗しょう症は加齢とともに患者数は増えていきます。一般的に50代女性では5人に1人、60代女性では4人に1人、70代女性では3人に1人、80代以上の女性では2人に1人は骨粗しょう症と言われています。私は大丈夫!と思っていませんか?当院では50歳以上の女性で骨密度検査を勧めており、2019年6月〜2020年5月の1年間に、423人の方が骨密度検査を受けられ、そのうち骨密度が正常な方はわずか1割程度にすぎず、骨粗しょう症の方が約6割、骨粗しょう症予備軍の方が約3割でした。これは一般的に報告されている頻度より高く、整形外科の通院患者さんでは、すでに骨粗しょう症になっている患者さんが多いことがわかりました。手足が痛い、それは骨粗しょう症の始まりかもしれません。しかし!骨粗しょう症はがんと異なり、予防することができます。骨粗しょう症、骨密度を調べて、健康な身体を維持しましょう。

骨粗しょう症の原因

 

骨粗しょう症は骨の代謝の異常

骨は絶えず代謝をしています。古くなった骨は壊され、新しい骨が作られています。壊される骨の量と作られる骨の量が同じであれば、骨の量は維持されます。しかし、加齢や閉経後に女性ホルモンが減少する、または血液中のカルシウムが不足すると、骨の代謝が崩れ、壊される骨の量が多くなり、徐々に骨の量が減っていきます。それが骨粗しょう症の1番の原因です。また糖尿病や透析、慢性呼吸器不全、リウマチなど内科疾患で、骨粗しょう症になることもあります。その場合は特に骨の質が悪くなると言われています。

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骨粗しょう症の症状

 

骨粗しょう症は無症状なので、要注意!

骨粗しょう症は基本的に自覚症状がないと言われています。一方では、骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きが活発であれば、痛みを感じることがあるともいわれています。骨粗しょう症の結果として起こりやすいことが、骨折です。身長が2cm以上縮んでいると骨粗しょう症のリスクが高いと言われますが、それは知らず知らずのうちに背骨が骨折を起こしている可能性が高いからです。背骨が骨折を起こすと背中が曲がり、股関節が骨折を起こすと歩きが不自由になることが多く、運動能力が低下することが、骨粗しょう症の1番の症状と言ってもよいかもしれません。

​また以下の項目に当てはまる人が骨粗しょう症の危険が高い人といわれています。

・70歳以上の高齢者

・身長が2cm以上縮んだ人

・自分の両親が股関節の骨折を起こしている人

・痩せている人

・運動不足や偏食のある人

・日光にあたらない人

・糖尿病の人や胃の切除をしている人

・ステロイドを長期間使用している人

・透析をしている人

・早期閉経(手術などの影響も含む)した人

・寝たきりの人

など

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骨粗しょう症の検査と診断

 

骨粗しょう症の検査は骨密度だけじゃない!

・問診 ・・・さまざまな背景から骨折のリスクを評価します。

・骨密度検査(DEXA法)・・・骨の量を調べます。背骨と股関節での計測が推奨されています。

 ※注意! 手首やカカトの骨での計測は、骨折のリスクを正しく評価できません!

・骨質検査 ・・・近年注目されてきている骨粗しょう症の新しい指標です。当院では骨密度検査時に同時に計測が可能です。

・レントゲン検査・・・背骨の骨折(いつのまにか骨折)がないか調べます。

・採血 ・・・カルシウムやビタミンDの量、骨の代謝の状態を調べます。

・体組成検査 ・・・筋肉量などを調べます。筋肉が少ないと転びやすく骨折をしやすいです。

骨粗しょう症の診断には基準がいくつかあります

YAM:20歳の平均値

図の矢印の右から

1. 背骨や股関節の骨折をしたことがある(いつのまにか骨折を含みます)

2. 骨密度が骨密度YAM(若年比)が80%以下であり、軽微なケガで骨折をしたことがある

3. 骨密度YAMが70%以下

4. 骨密度YAMが70%〜80%未満であり、両親が股関節の骨折をしたことがある

5. 骨密度YAM が70%〜80%未満であり、骨折リスクが高い(リスクを評価するスコア:FRAX で骨折リスクが15%以上)

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骨粗しょう症の治療法

 

骨粗しょう症の治療の目的は骨折を予防すること

治療は、運動・栄養・くすりが治療の2本柱と考えます。

運動・・・患者さんの状態に合わせた運動メニューの作成や、音波振動による骨刺激で骨密度を上げるお手伝いをします。

​栄養・・・管理栄養士による骨や筋肉をテーマとした栄養セミナーを定期開催しています。また個々の採血結果を考慮した個別栄養相談を行っています。

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くすり・・・骨粗しょう症治療薬を使用することで、骨折が予防されることがわかっています。ただ漫然とくすりを飲み続けるのではなく、治療ゴールを設定し、そのゴールを達成するために必要な薬物選択を行います。現在骨粗しょう症薬は多数販売されており、1人1人にあった薬剤を選択します。また治療効果をよくするために、ビタミンDの補充にも力をいれています。

・ビタミンD(エルデカルシドール、アルファカルシドールなど)

   ・・・食べ物からのカルシウム吸収を促します

・ビスホスホネート(アレンドロン酸、ボナロンゼリー、ボンビバなど)

   ・・・骨が壊れて減るのを抑えます

・SERM(バゼドキシフェン、ラロキシフェン)

   ・・・女性ホルモンと似た働きをし、骨の質をよくします

・プラリア・・・骨が壊れて減るのを強力に抑えます

・フォルテオ、テリボン・・・新しい骨をどんどん作ります

・イベニティ・・・新しい骨を作り、また同時に骨が壊れるのも防ぎます

 

当院には現在2名の骨粗しょう症マネージャーが在籍しています。医師の診察時間のみでは、骨粗しょう症の怖さや治療の重要性を説明することは不十分です。診察後に骨粗しょう症マネージャーが患者さんの状況を整理し、病態の説明やくすりの使い方や副作用の説明など、時間をかけて患者さんに納得してもらえるようお手伝いをいたします。

 

骨粗しょう症による骨折予防は多施設・多職種の関わりが非常に重要と考えています。ビスホスホネートという薬の使用で歯科との連携が必要だと考えますし、1人でも多くの骨折患者さんを減らすために、近隣の内科など他の医療施設と連携を図っています。

当院の骨粗しょう症診療の合言葉は「ONE TEAM」です。