札幌整形外科 (9).JPG

開院時の想い

開院時の想い

DoClinic_20210601撮影 (65)_edited.jpg

運動器疾患とその治療の考え方

骨や関節などの骨格、それを動かすための筋肉や神経系、これらは「運動器」を呼ばれ、人が活動するためには不可欠な要素です。一般的に運動器疾患は整形外科で診療が行われますが、一般的な整形外科では骨や関節に焦点をあて、手術加療が治療の中心となっていることが少なくありません。しかし私はこれまでの経験から、整形外科の手術ではなかなかよくならない患者さまや、手術が必要だと思っていても手術をしないでもよくなる患者さんを数多くみてきて、あることに気づきました。それは骨や関節を動かす筋肉を中心とした「運動機能」の重要性です。運動機能とは身体本来のもつ正しい動かし方と思っていただければよいと思います。

昨今のリラクゼーションブームによりみなさんも、マッサージ店や整骨院で施術を受けたことがあるかもしれません。施術後は一時的に身体が軽くなっても、またすぐに元に戻ってしまうといったことを経験した方も少なくないのではないでしようか。それは一時的に筋肉がほぐれて動かしやすくなっただけで、運動機能、身体の動かし方が改善していないからだと思います。現代病と呼ばれるパソコンやスマートホンの多用により肩が凝ったり、姿勢が悪くなったり、また運動習慣の低下から筋力が落ちたりと、本来の身体の動かし方ができなくなっている人が多くみられます。糖尿病や高血圧、高脂血症などが生活習慣病と言われますが、この運動機能の低下こそ、生活習慣病のメインと考えられます。運動機能を改善することで、ほとんどの整形外科疾患は改善すると考えています。たとえ軟骨がすり減っていたり、関節が変形していても、運動機能を改善することで、痛みが改善することも多くあります。そしてそれは身体の一部分のみならず全身の動きが関係することが多いです。

 

この運動機能の異常、低下を治療するのは、理学療法士によるリハビリテーションです。 理学療法士は、整骨院の柔道整復師とは異なり、運動機能に対する知識のスペシャリストです。痛みを起こしている原因を全身へのアプローチで探り、身体の動かし方を治していきます。私はこのことに関しては整形外科医師よりも詳しい専門家だと思っています。

IMG_3793.JPG

ロコモティブシンドロームと健康寿命

みなさんは口コモティブシンドローム(通称口コモ)という言葉をご存知でしようか?メタボリックシンドローム(通称メタボ)という言葉は聞いたことがある方が多いかもしれませ ん。メタボは生活習慣病による身体の内面の異常表した総称です。口コモは運動器の障害のために移動機能の低下を表した言葉です。四肢関節・骨の加齢変化によるものだけでなく、筋肉量の低下や運動習慣の欠如からくる転倒しやすさを表します。口コモが進行すると介護が必要になったり、日常生活、社会参加が制限されます。

 

近年健康寿命を伸ばそうとする取り組みが多くみられます。健康寿命とは、いわゆる寿命とは異なり、介護などを受けず健康上の問題がない状態で自立した生活を送れる期間のことです。その健康寿命を最大の敵は口コモなんです。口コモを予防することが、長く健康でいるために必要なことだと思われます。

 

ではどうしたらいいでしょうか?

口コモは運動器障害のための移動能力の低下です。つまりしっかり動ける身体を維持していくことが重要です。それには運動機能を改善し、運動習慣を作っていくことが一番です。当院での運動機能の改善がそのきっかけになればと思っています。

IMG_3882.JPG

包括的な骨粗しょう症治療

口コモと密接な関係があるのが、骨粗鬆症です。骨粗鬆症は加齢に伴い骨が脆くなる疾患ですが、それで一番問題となるのは転倒などをした際の骨折です。一度骨折が生じてしまうと、複数回骨折を起こしてしまう骨折の連鎖につながりかねません。そして骨折により動きが制限されたり、筋肉が落ちたりと口コモへとつながります。

 

骨粗鬆症患者さんは全国で約1300万人と言われています。しかも70歳以上の女性の半 数以上が骨粗鬆症であると言われています。近年骨を丈夫にする薬物治療が普及してきて、 使用する患者さんが増えてきています。でも全体の数からすると、まだまだ氷山の一角です。

 

骨粗鬆症は予防医学です。それは骨粗鬆症がベースとなった骨折を予防すること、また一 度骨折を起こしてしまった人のさらなる骨折を予防することです。当院では骨粗鬆症患者さん、また今後骨粗鬆症になりかけている患者さんをいかに早く見つけ、骨粗鬆症による骨折を予防することに力を入れていきたいと思います。そのためには地域住民への啓蒙や、内科など他科の病院・クリニックとの連携が不可欠だと考えています。最新の骨密度測定機械や採血などその他の評価法から、正しい骨粗鬆症診断を行ない、治療介入をしていきます。

 

骨粗鬆症治療で次に問題となるのは継続です。基本的に骨粗鬆症は自覚症状がありませんので、骨粗鬆症の薬を飲んでいても、治療効果が自覚できないと途中で止めてしまう患者さんが多くみられます。近年は効果の強い骨粗鬆症薬が増えてきました。骨粗鬆症認定医である私は、これまでの経験から患者さんのライフスタイルに合わせて、効果の出る薬物を選択していきたいと考えています。そして骨粗鬆症治療の重要性を理解していただき、治療ゴールを設定して、患者さんと一緒に治療を行っていきたいと思います。

 

また、骨粗鬆症の治療はくすりだけではありません。転倒による骨折を予防するためには、骨を丈夫にするだけでなく、転ばないようにすることが不可欠です。つまり転倒しない身体を作ることです。また運動機能の話に戻るのですが、いい身体の動きができていれば転倒しづらくなります。薬の治療だけでなく、運動機能をよくして、運動習慣をつけるための取り組みをしっかりと行っていきたいと考えています。これは整形外科ではほとんど行われていない取り組みです。

 

さらに、身体の内面からもアプローチをして転ばない身体作りを進めていきたいと考えています。それは力ルシウムやビタミンDといった骨を作るのに不可欠な栄養素、または転ばない身体の源である筋肉をしっかりつけるためのを栄養指導です。定期的に栄養指導などの機会を作っていきたいと思います。

 

これからの骨粗鬆症治療は医師の薬の処方だけでは不十分だと思います。しかし短い診察時間では話すことのできないこと多いですので、骨粗鬆症マネージャーを中心に、さまざまな職種の立場からアプローチをしていき、患者さんの健康寿命延伸に貢献できればと考えています。

IMG_3665.JPG

肩関節疾患の最先端の治療

私はこれまで肩関節を専門分野として大学病院などで診療を行ってきました。他の分野よりも詳しい知識を持っていると考えていますので、様々な肩の疾患に対応できると思います。

 

肩関節疾患といえば、まず思い浮かぶのが五十肩だと思います。近年は凍結肩、肩関節周囲炎などと呼ばれることが多くなってきました。五十肩の一番望ましい治療はなんでしようか?放っておけば治ると思っていませんか?五十肩の一番望ましい治療はリハビリテーションです。中でも肩の正しい動き、運動機能を意識したリハビリテーションです。それは肩だけをみていては改善しません。肩甲骨、背骨や下肢といった全身をみていく必要があります。それによりなかなか治りづらいつらい五十肩を比較的短期間で改善していくことが可能です。

 

ただ怖いのはなんでも五十肩と自己判断してしまうことです。肩の痛みの中には五十肩以外にも腱が切れる腱板断裂や、石灰が炎症の原因の石灰沈着、軟骨がすり減る変形性肩関節症など多岐に渡ります。又五十肩でも炎症が強く、動かさないほうがよい期間もあります。まずしっかり診断することが大切であり、診断や病期に応じた適切な治療を行っていきます。

 

腱板断裂の場合は、残念ながら腱は自己修復されませんので、手術が必要になる場合もあります。しかし手術前に肩の運動機能をよくしたり、術後に適切なリハビリテーションを行うことは腱板断裂の治療で不可欠なことです。理学療法士と連携して、患者さん一人ひとりの状態に応じた治療を行っていきます。

 

一方で、腱板断裂が進行してしまい、修復が困難な場合もあります。そういった場合、以前であれば肩の機能をあきらめざるえなかった患者さんでも、近年は適切な治療を行うことで、手をあげることが可能となる治療方法ができてきました。それは人工関節です。膝や股関節とは違い、肩では人工関節はなじみがないかもしれませんが、肩診療の中では画期的な治療方法です。しかしその手術には経験や資格が必要であり、手術適応かどうかをしっかり見定めなければなりません。私はこれまで大学病院での診療を通して、重症な患者さんを数多くみてきました。その経験を活かし、患者さんに合った一番よい治療方法を考えていきたいと思います。

IMG_3704.JPG

超音波を用いた診断と治療

近年超音波機器の技術の発達により、身体の中をより詳しくみることができるようになってきました。その中でもこれまであまり注目されていなかった筋肉の評価が可能となってきました。骨折はないから大丈夫、関節はなんでもないから大丈夫と言われたことはないですか?思い返すとかつて自分もそうやって患者さんに言っていたことを反省します。これまでの経験から、筋肉を中心とした運動機能の異常や低下による痛みが多いことは、前の項目でも書きました。それを評価できるのが超音波です。

 

超音波の強みは、動きをその場で評価できることと、ピンポイントで注射をできることです。レントゲンやMRIは止まっている状態の評価です。しかし痛みは動いたときに生じること が多く、身体も本来絶えず動くものです。動かした状態をしっかり評価することが重要で、そうすることで診断の精度も高くなります。そしてその場所にピンポイントで注射によるアプローチができれば、すぐに痛みがとれることも少なくありません。

 

私の診療の理想は、痛みなど愁訴を持って、クリニックに来院された患者さんが、痛みがとれ、動けるようになってクリニックを出て行くことです。超音波での注射や、リハビリテーションはそれが可能な手段だと確信しています。

DoClinic_20210601撮影 (2).JPG

スポーツ診療

運動習慣と密接なつながりがあるのがスポーツです。身体を動かすと気持ちがいいですよね。私もスポーツが好きで、スポーツドクターになりたい、と思ったのが最初のきっかけでした。近年ではラグビーのグランドでの診療や、少年野球の野球肘検診などに積極的に参加しています。

 

しかし身体の状態や動かし方が悪いと、痛い、動けない、ケガをするといったリスクが出てきます。実際には、スポーツ選手を含め、スポーツ疾患の治療では手術が必要なことはほとんどなく、リハビリテーションが大半です。それも運動機能を重視したリハビリテーションです。当院ではスポーツ選手に対してもしっかりとしたリハビリテーションができると思っています。またスポーツ復帰へは病院でのリハビリテーションだけでは不十分です。より高いレベルまで運動機能を向上させることがよいパフオーマンスにつながります。当院ではそんな運動機能向上のための運動ができる運動施設とも連携を図っていきたいと思っています。

DoClinic_20210601撮影 (170)_edited.jpg

スタッフ教育

運動機能を重視した病院・クリニックはまだほとんどありません。私たちは運動機能に対する介入こそが、健康寿命延伸につながると思っており、運動機能をしっかり評価できる医療スタッフを増やすことも使命だと感じています。札幌医科大学やその他の教育機関とも連携して、優れた人材を育てていきたいと思っています。そしてスタッフは私にとっての家族ですので、家族一人一人の夢や目標が実現できるよう協力しあっていきたいと思います。

IMG_4137.JPG

人のつながり

当然のことながら人間は1人では生きられません。人と人とのつながりが大事であることは言うまでもありません。それは患者さんと医療スタッフの間でも同様と思います。自分を信頼していただいて来院されるわけですから、誠心誠意患者さんのことを考え、治療方針を 選択したいと思います。そして痛みが改善して患者さんの笑顔が見れた時が医療人として 一番幸せな時です。内科疾患と違い、それができることが整形外科の一番の醍醐味だと思います。

 

ただ整形外科疾患すべてが自分ひとりで治療できればいいのですが、そんなスーパーマンではありません。自分では治療困難な患者さんは、それぞれの分野で自分の信頼できる専門医へご紹介させていただきます。すべては患者さんの笑顔のため、と考えています。

 

また多くの患者さんと接する機会が持てれば幸いなのですが、できるだけ広告とかは出したくありません。願わくば人と人とのつながりで笑顔の輪が広がっていければいいなと 思っています。口ゴマークにはそんな人と人とのつながりの気持ちがこもっています。  最後にDo-ClinicのDotこは様々な思いが込められています。私の名前、道家(どうけ)の Doであることはもちろんですが、[Do]には「一をする」、「一を実行する」、「一の役に立つ」、 「進む」といった意味があります。運動機能を重視し身体を動かすという意味のDo、患者さんの役に立つというDo、健康に人生を歩むというDo。あげればきりがありませんが、そんなDoをーつずつ実践していければと思っています。